用語まとめ

 

言語学習ストラテジー

オックスフォードが1990年代に発表し、学習をより易しく、早く、楽しく、自主的に、効率的、かつ新しい状況に対処するために学習者がとる具体的な行動をいう

直接ストラテジー

「記憶ストラテジー

記憶や想起に使うストラテジー

「認知ストラテジー

理解しようとする工夫

「補償ストラテジー

知識不足を補う工夫

間接ストラテジー

メタ認知ストラエテジー

自分自身の学習状況を管理するストラテジー

「情意ストラテジー

学習に対する気持ちや態度をコントロールする工夫

「社会的ストラテジー

学習の為に他者や周辺を利用するストラテジー

 

・クラッシェン5つの仮説

1970年代から80年代にかけてクラッシェンが提唱した第二言語習得で考慮すべきとして5つの仮説を考えた

「習得・学習仮説」

習得は無意識にみにつけ、学習は意識的に学ぶという仮説

「自然順序仮説」

ほぼ全ての学習者が自然と学習する順序があるという仮説

「モニター仮説」

学習で得た知識は発話することでモニターとして修正やチェックが行われる

「インプット仮説」

自分の言語よりやや高いレベル( i(現在の能力)+1(1段上))のインプットを与えれらると学習が進むという

「情意フィルター仮説」

学習者の感情や気持ちでインプットできる量や吸収が変わるという仮説

 

・現代言語適性テスト(MLAT)

個人の基本的なコミュニケーションスキルを測るテスト。キャロルによって開発された。

 

・コミュニケーション・ストラテジー

タローンが提唱したコミュニケーションを達成する為に用いる方略(ストラテジー

コミュニケーションストラテジーにはコードスイッチングも含まれる

「回避」

表現できないものは表現しない。複雑な言い方はせず別の言い方をする。

「言い換え(パラフレーズ)」

単語がわからない時などに別の言葉を使って表現する

(例)キャッシュカード→銀行のカード

母語使用又は意識的な転移」

母語または他の言語のによる翻訳に頼る

「援助要求」

聞き返したり、辞書で調べる

「身振り(ジェスチャー)」

手振り、身振りで表現する

 

・コミュニケーション能力

ハイムズが正しい文だけではなく、どこで、いつ、誰にその正しい文を使ったらよいかという知識が不可欠と主張し、、その後カナルが4つに整理した。

「文法能力」

正しい文章を組み立て、使用できる能力

「社会言語学的能力」

相手や場面に合った、適切な表現ができる能力

「ストラテジー能力」

コミュニケーションを円滑に行う能力

「談話能力」

語、文法、音声、表記などを正確に使用できる能力。

 

・コードスイッチング

相手に合わせて言語を切り替えること

(例)日本語→英語

スピーチレベルシフト(スタイルシフト)との違いはコードスイッチングは2種以上の言語を切り替えるがスピーチレベルシフトは1つの言語内で丁寧さを切り替える

 

・項目応答理論(IRT item response theory)

実施回の難易度や受験者の運によらずに、受験者の実力を正確に測ろうとする理論のこと。

 

・スタイルシフト(スピーチレベルシフト)

言語内で話し方を変える

コードスイッチングとの違いはスタイルシフトは1つの言語で話した方の丁寧さを切り替える。コードスイッチングは2種以上の言語を切り替える

 

・適正処遇交互作用

学習者がどのような勉強が適正しているか、教師はその学習者にどのように指導するか。その適正と処遇が組み合い、学習効果が高まること。

 

・二重貯蔵モデル

記憶には短期記憶と長期記憶があること

 

日本語教育関連事業

文化庁

難民、中国帰国者の日本語教育活動の推進・支援や日本語教材の作成を行っている

つながる にほんごのくらし(通称:つなひろ)を運営している

 

国際交流基金(JF)」

海外の日本語能力検定試験(JLPT)を行っており、日本語専門家の海外派遣や海外の日本語教師の訪日研修、またいろどり 生活の日本語」と「日本語基礎テスト(Japan Foundation Test for Basic Japanese, 略称:JFT-Basic)」も運営している。

アジアの学校の教師や生徒のパートナーとして授業のアシスタント等を行っている日本語パートナーズを実施している。

またJF日本語教育スタンダードを運営している。

 

文部科学省

海外子女教育、帰国・外国人児童生徒教育等に関する情報交換ができるCLARINET、留学を促進させるトビタテ!留学JAPAN、外国につながりのある児童・生徒の学習を支援する情報検索サイトかすたねっとの運営を行っている。

 

「日本語国際教育支援協会(JEES)」

国内の日本語能力検定試験(JLPT)日本語教育能力検定試験を行っている。

 

独立行政法人日本語学生機構(JASSO)」

日本人学生の海外留学支援制度を行っている

日本留学試験をやっており、作文テストもある。

日本留学情報サイト Study in Japanを運営しており、外国人留学生在籍状況調査も行っている。

 

「JICA」

政府開発援助(ODA)を目的とした海外協力隊を派遣している

 

 

 

・非言語コミュニケーション

「エンブレム(語彙の代用)」

語彙の代わりとして用いること

(例)「はい」や賛成の意味で首を縦に振る等

イラストレーター(動作による意味の強調)」

物事を描写したり意味を強調するジェスチャーのこと

(例)大きさを表す時に腕を広げる等

「アフェクトディスプレイ(感情の表現)」

喜怒哀楽を含む感情を顔や動作で示すこと

(例)怒りを表す時に眉間にしわをよせるや腕組みをする等

「レギュレーター(会話の調整)」

会話の続行や中断を促すこと等

(例)相手の発話中にあいづちをしたり、視線をそらして興味がないことを示すこと等

「アダプター(状況に付随する動作)」

状況に関連して生じる動作のこと

(例)かゆいからかゆい所をかいたり、落ち着かないから貧乏ゆすりをする等

 

・評価の分類

「性格による評価」

認定評価:学習者の能力や進歩が基準に達しているかを測る

(例)日本語能力試験OPI

測定評価:どのくらい到達度しているかを評価する

(例)中間テスト

選別評価:学習機関に受け入れるか否かを選別する

(例)入学試験

 

「実施時期による評価」

診断的評価:コース開始前に実施する

(例)プレースメントテスト、レベルチェックテスト

形成的評価:学習の進行応じて随時実施する

(例)クイズ(小テスト)

総括的評価:学期修了・コース修了時に実施する

(例)期末テスト

外在的評価:学習期間外で任意の時期に実施する

(例)日本語能力試験日本留学試験

 

・ピアレスポンス

書く技能の1つで学習者同士がお互いの作文を読み合い、その作文についてフィードバックを行い文章の改善を図る。

 

 

・ブレンディッド・ラーニング

教室での活動とオンラインの学習を組み合わせた学習形態のこと。

 

 

・ルーブリック評価

学習者の評価項目と達成度をマトリックスに組み合わせた評価表

 

 

A

・ARCSモデル

学習者の意欲を向上させるモデル。教師は、注意(Attention)関連性(Relevance)自信(Confidence)満足感(Satisfaction)という4つの側面を意識して、学習者の学習意欲を引き出す。4つの頭文字をとって、ARCS、アークスモデルと読む。

 

・AEEIEモデル

「分析 (Analysis)」「設計 (Design)」「開発 (Develop)」「実施 (Implementation)」「評価 (Evaluation)」の5つのプロセスに沿って学習者の学習意欲をより引き出せるような効率的な学習環境を設計・開発するための教授方法。

外国語教授法

・メゾットとアプローチの違い

アプローチ:理論、信念、基本的考え

メソッド:「アプローチ」の具体的な実践方法、教授方法

教授法における「アプローチ」と「メソッド」の違いについて|Kei

 

1.文法訳読法(GTM)

19世紀半ばに読解力の養成を目的とした教授法

 

2.ナチュラルメソッド

19世紀後半、会話力が養成されないことから文法訳読法の批判からナチュラル・メソッド(自然主義教授法)が開発された。

下記はナチュラル・メソッドに含まれる代表例

サイコロジカル・メソッド(グラン・メソッド)

一連の出来事を、動作しながら言葉で表現して示す。

 

・ベルリッツ・メソッド

翻訳せずに絵カード、レアリア、ジェスチャー、適切な例文で促す形で導入し、口頭練習を重視する。

 

3.直接法

ナチュラル・メソッドの呼び名が変わり直接法になった。

ナチュラル・メソッド他、下記の教授法が代表例になる。

・オーラル・メソッド

パーマーが提唱し、聞く・話すを第一次技能、読む・書くを第二次技能とした。

指導法はPPP(Presentation/文型の導入・提示、Practice/基本練習、Production/応用練習)

 

・GDM(Granded Direct Method)

ゲシュタルト心理学を背景とし、簡単な項目から難しい項目へと段階的に授業が進む

 

4.直接法に後続する行動主義心理学に基づく教授法

・ASTP(アーミー・メソッド)

短期間外国語教育プログラムで反復練習を繰り返す

 

・オーディオ・リンガル・メソッド

フリーズによって提唱され、ASTPを受け継いだ。

習慣化されることによって覚え、モデル会話をベースにパターン・プラクティス(文型練習)、ミム・メム練習、ミニマル・ペアも使用する教授法

 

5.ヒューマスティックな教授法

・サイレント・ウェイ

 

・コミュニティ・ランゲージ・ラーニング

 

・TPR

 

・サジェストペディア

 

・コグニティブ・アプローチ(認知学習論)

 

6.コミュニケーションにつながる教授法

・コミュニカティブ・アプローチ

 

・タスク中心の教授法

 

ナチュラル・アプローチ

 

・内容重視の教授法(CBL Content-Based-Instruction)

 

・SAPL(Self-Access Pair Learning)

コースデザイン

①レディネス調査・ニーズ調査

②目標言語調査・目標言語使用調査

シラバスデザイン・カリキュラムデザイン

 

①レディネス調査・ニーズ調査

・レディネス調査

アンケートやインタビューで学習者に関する情報を収集し外的条件と内的条件がある。

(外的条件)

年齢・職業・国籍・母語

経済的条件・時間的条件

学習環境・生活環境

(内的条件)

日本語の学習やその他の外国語学習について

言語以外の毛いけにゃ能力について

学習スタイル

 

プレースメント・テスト(学生や生徒の学力レベルを測定し、適切なレベルのクラスに振り分けるためのテスト)で適切なクラスに配属する

 

 

・ニーズ調査

学習者やそれを支援する人や団体の望んでいることを調査する

 

シラバスデザイン・カリキュラムデザイン

シラバスデザイン

日本語教育のコースの中で扱う教授項目を選定すること

 

モダリティ

判断

断定を表す表現 だ、です

断定を避ける表現 だろう、と思う

確信を表す表現 はずだ、に違いない

外観・兆候を表す表現 そうだ①

状況から判断を表す表現 ようだ、みたいだ、らしい

伝聞を表す表現 そうだ②、らしい

 

意志・願望

意志を表す表現 意向系(〜(よ)う)、つもりだ、ことにする

願望を表す表現 ひしい、たい

 

命令・依頼・勧誘

命令を表す表現 〜なさい、命令形(しろ)/〜な

依頼を表す表現  〜てください、〜てくださいませんかetc、 〜てくれ、〜てくれ、〜て

勧誘を表す表現 〜ましょう、〜ましょうか、〜ませんか、〜よう、〜ようか、〜ないか

 

義務・勧め・許可・禁止

義務・必要を表す表現 〜なければいけない、〜なければならない

勧め・忠告を表す表現 〜の方がいい

許可・許容を表す表現 〜てもいい、(不必要を表す表現)〜なくてもいい

禁止を表す表現 〜てはいけない

協調の原理

グライスが提唱した協調の原理は会話をより正確に伝える4つの公理

 

量の公理 求められう情報を伝える
多すぎても少なすぎてもいけない
質の公理 嘘や確信や関係がないことは言わないこと
関連性の公理 その状況に関係のあることを言うこと
様式の公理 不明確な表現や曖昧な表現は使わず、簡潔に順序立てて述べること

ベリーの文化変容

ベリーさんは2つ以上の文化が接触することで双方もしくはどちらかの文化が変化する過程を下記のように分けました